貧乏人でも投資がしたい

パーソナルファイナンスとインデックス投資についての話題がメインです。意見は結構コロコロ変わります。

出来高ゼロのETFでも流動性があるの? あるんです。

資産形成家のいぬデックスです。

 
ETFは今のところ資産形成には最適とは言えませんが、ETFならではの利点もあり利用価値はあると思います。
特に個人向けとしてはややニッチな指数では、伝統的な投資信託よりもかなり低コストで、少額から機関投資家のおこぼれにあずかることもできます。
 
しかしETFは知名度の低さ・関心の低さから株式投資の経験が長い方でもその魅力に気づかれていなかったり、理解不足から利用を控えている例も見受けられましたので、少し僕が知っていることをおさらいしてみます。
 


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ETFというと、複数の銘柄をまとめ買いできる、株のように取引できる、というようなぼんやりしたイメージで理解していることが多いかと思います。
 
あまり詳しく説明しようとすると、もっと適切なwebページがあるはずですので、ここではよくある二つの間違いについて、正しい理解へのヒントとなることを述べていこうと思います。
 
 

ETFはトレードできるが、別にトレードしなくても良い

ETFはあくまでも投資信託を、トレードできるように改良したものということは忘れてはいけないでしょう。ETFの本質は投資信託です。保有し続けてもなんの問題もありません。(ブルベア型など短期取引向きのものは除く)
 
トレードできるというと、どうしても安く買って高く売ろうと考えてしまいがちですが、そのようなことをしたい人にとって意味のあるものになったというだけのことです。
 
実際、ETFの主な保有者は企業年金や信用金庫といった機関投資家で、基本的には保有を目的にしています。バンガードの創始者であるジョン・C・ボーグル氏も、売買せず保有するだけならばETFを使っても良いと述べています。
(ボーグル氏はETFについては批判的な立場です。バイ&ホールドの市場インデックス原理主義の親玉ですので)
 
むしろ、トレードの道具として成り立つのはブルベア型、VIXのような短期売買向けの商品のほか、TOPIXや日経平均といったごく限られた指数のみで、他はただの投資信託と言って差し支えないでしょう。
特にβヘッジとかマーケットニュートラルとか、最小分散、低ボラティリティという、市場の影響をなるべく受けないように設計されたものはそもそも値動きが小さいのですから売買には向きません。
 
 

普段の取引量が少なくても流動性は問題ない

これが最も勘違いされているところです。ニッチな指数に連動するETFはほとんど取引が成立しておらず、丸一日値がつかないこともよくあります。
 
すると、出来高が少なすぎるから使えないと考える人が出てきます。これは株式投資に慣れている方が陥りやすい勘違いです。しかしETFは株式とは全く違うものですので、問題ないのです。
 
出来高ゼロでも流動性に問題はないとはどういうことでしょうか。例を挙げてみます。
 
IMG_8362.png 
 
これは2018年11月26日に売買が成立せず値がつかなかった、1490:上場高配当ベータヘッジの引けの板です。(クリックすると拡大できます)
 
なんとも寂しい板ですが、売りが¥9690、買いが¥9670で出ています。よく見ると売りの気配は11280株とかなり厚くなっています。買いの方も9660円で1万株あります。そしてそのすぐ外側にも1万ずつ。これはマーケットメイカーと呼ばれる業者が流動性供給のために注文を置いてくれているのです。
(そういう約束でインセンティブを受け取っていますので親切心ではなく仕事でやっています)
 
ところでETFは投資信託ですから、その中身の株価から現在の理論上の基準価額を算出することができます。これがインディカティブNAV(iNAV)と呼ばれていましてJPXのwebで15秒単位で更新されているのを見ることができます。これによると1490のiNAVは9673.51円となっています。(右から3番目の数値)
 
281126_1490iNAV.png 
 
ということでマーケットメイカーによる気配の提示はiNAVを中心として+0.17%〜-0.14%という狭い範囲で行われていることがわかります。これはiNAVの変化に合わせて変更され、常に適正に近い価格で売買ができるようになっています。
 
つまり欲しい人はいつでも欲しいだけ買えて、売りたい人は売りたいだけ売れる状態になっています。売買が成立しない理由は単に買いたい/売りたい人が居ないだけのことです。流動性が低いせいではありません。
 
TOPIXや日経225種のETFの売買が活発なのは、トレード目的の参加者が多いからです(高頻度取引業者も含む)。しかし、あなたの目的が長期保有であれば売買が活発である必要はなく、いつでも適正価格で購入・売却ができるようになっていれば流動性は十分に確保されていると言えます。
この例で言えば、約一億円分ポンと買うことも可能なわけですからじゅうぶんですよね。
 
中にはどうしてもスプレッドがあることに納得いかない人もいるようですが、これはETFを発行する際にその中身である株式を買い集める必要がありますから、そのコストが埋め込まれているのは許容すべきでしょう。
売買が活発なETFですとこのスプレッドがタイトになりますので、そういう点では売買高も流動性にボーナスを与えていると言えます。
 
 

理解を深めるための参考リンク 

とりあえず今日のところはこれくらいにしておきますが、少しでもETFの理解に役立てば良いと思います。興味があればシンプレクスのETFコラムや日興アセットマネジメントのコラム もっと知りたいETF、SBI証券×ウィズダムツリー・ジャパンのそうだったのか!ETF徹底解剖などでより理解を深めるのも良いかもしれません。