貧乏人でも投資がしたい

パーソナルファイナンスとインデックス投資についての話題がメインです。意見は結構コロコロ変わります。

【再考】ベンチマークが配当込み指数であることが、そんなに良いですか?

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資産形成家のいぬデックスです。

「ベンチマークが配当込みではないから投資したくない」

かつて、発言力のある(?)インデックス投資ブロガー達がそう言っていました。

曰く、(以下はいぬデックスによる意訳です)

  • 指数にぴったり沿うべきインデックスファンドが、ベンチマークを上回っていることを誇示すべきものではない
  • 上回った分からポッケナイナイする可能性が否定できない
  • 指数を上回ると分配すべきという圧力がかかるのではないか
  • 実際のリターンは配当込みのトータルリターンであるのだからこれに連動すべきだ

これは、インデックス投資が一般に開放されはじめた20年前のように、投資家に対して(ある意味)不誠実な態度を取り続けていた資産運用業界に対する不信からくる誤解から生まれたものと考えています。

批判する意図で紹介したわけではありません。僕もそう思っていましたから。

業界の中の人にとっては個人的に言いたいこともあるかと思いますが、とにかく表立ってはそのようにしか見えない関係が招いたことだと思います。

またこのような意見が根強いことから、新たに設定されるファンドでは配当込み指数に連動するものが増えてきました。

時代が変わってきた

ここ数年で急速に一般投資家側のリテラシが向上したこともあり、運用会社や販売会社側もよりフレンドリーに接触を図るようになり、情報開示や運用の内側の情報を教えてくれるようになりました。

そこでようやくインデックスファンド運用の実態が、僕のような素人にもわかるようになってきました。

そこで新たに共有されるようになったのは

  • 配当込み指数には税金を考慮したものと、しないものが存在し、指数プロバイダーによっても基準がまちまちである
  • ベンチマークの種類によらず、トータルリターン(配当込み)を基準として運用されている
  • ベンチマークを上回ったからといってわざわざパフォーマンスを下げるようなことはしない、できない
  • 分配への圧力や指導があったことはない
  • 運用報告書の数字からコストを計算してもあまり参考にならない

といったことです。

運用ルール上、杞憂であることがわかったので、冒頭に挙げたような主張には意味がなくなりました。

繰り返しますが、これはそのような主張をした先人を批判するものではありません。機が熟していなかったので、仕方のないことです。

配当なし指数の方がわかりやすくないだろうか?

そこで新たに考え直してみると、トータルリターン指数では、インカム・ゲインとキャピタル・ゲインの区別がつきません。運用報告書をじっくり見て計算すれば出ますが、面倒です。

ところが配当なし指数に連動するインデックスファンドですと、コストを差し引いて、それでも指数を上回った分については主に配当収入によるものだということがすぐにわかります。

(実際には貸し株金利や銘柄入れ替えなどで運用上発生したキャピタル・ゲインも含まれると思いますが全体に対する割合としてはごく僅かでしょう)

配当込みと配当なし、どちらをベンチマークにしたほうがファンドの運用状況を正確に把握できるでしょうか?

リテラシが低い顧客は間違ったものを求める

これはよく考えてほしいと思います。

配当なし指数に連動するインデックスファンドは信用できないとの声が強くなったことからか、最近新たに設定されるファンドは多くが配当込み指数をベンチマークとしています。

しかしその前提は崩れてしまいました。

運用会社としてはどちらをベンチマークにしようとも、中身は変わらないのだから単に売れそうな商品を作るだけなんですよね。

ここで思い出すのは「解約時信託財産留保額」のことです。詳しい説明は省かせていただきますが、これは早期解約に対するペナルティ、もしくは早期解約者の行動が長期保有者に不利益を与えないための措置です。長期保有者にはむしろ得になる制度です。

しかし、それが理解できるほどリテラシが達していなかった個人投資家や、あるいは日進月歩で新たに有利なファンドが登場していた時代背景により、無料で解約できないファンドは使いにくいと考えられるようになりました。

その結果、マザーファンドには信託財産留保があるのにその子ファンドにはないという意味不明な商品が雁首そろえてラインナップされるという状態です。

ところが、時代が変わって今後は同じファンドを持ったままでもコスト競争の恩恵を受けることができるようになり、その前提も崩れ去ってしまいました。結果的には、解約時信託財産留保額が無いことによるデメリットだけが残ってしまいました。

このように、顧客を適切に教育しないせいで不条理な商品が求められるという、全体として誰も得しないことが起きたりします。

より良い商品を提供できるようになるためにも、インデックス投資家といえども絶えず学習は続けるべきですし、運用・販売業社もより高度な、正確な情報を周知させるための努力を怠ってはいけないということです。