貧乏人でも投資がしたい

パーソナルファイナンスとインデックス投資についての話題がメインです。意見は結構コロコロ変わります。

資産形成のシミュレーションで、見るべきなのは弓の形!?

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資産形成家のいぬデックスです。

以前から繰り返し述べていますように、資産形成の目的は引退後の資金の確保です。

リスクを受け入れなければ、リターンも得られないということで、このバランスが重要と言われています。

こと引退後の収入源となりますと、伸るか反るかではちょっと厳しいものがあります。

うまく行かなければ働けば良いというような主張もありますが、いつまでも健康で満足な収入が得られる仕事にありつけるとは限りませんし、リタイアそのものが予期せぬ理由によるものということもありえます。

ファイナンシャル・プランニングでは、計画性を重視するためにある程度確実性の高い方法を使って行く方が良い結果になるのではないでしょうか。

今回はそれについての一つの考え方を紹介します。

シミュレーション

まずはグラフをご覧ください。インデックス投資家にはおなじみのアセットアロケーション(資産配分)分析ツールで作成しました。

guide.fund-no-umi.com

内外株式均等

こちらは国内株式50%、海外株式50%という配分を、元本100万円、毎月3万円拠出で20年間積み立てた場合のシミュレーションです。

期待リターン:4.90% リスク:16.65%
元本:100万円 総投資額:3万円 期間:20年
(期待値:1464.4 標準偏差:778.8 中央値:1293.0 最頻値:1007.9)

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析

 

左側のグラフはよく見る積み立てシミュレーションです。いくらくらいになるのか、ある程度予測をつけるのに使えます。

こちらのシミュレーションが出色なのは期待リターン以外にも最頻値が書いてあることです。

モンテカルロ・シミュレーション

最頻値とは? これはランダムな試行を無数に繰り返し、その統計を取る手法(モンテカルロ法)での結果、最も多く出たものが最頻値ということになります。

先ほどの図で言うと、右端の青い弓形のグラフ(ヒストグラム)がその統計の結果を表しています。これを見るとボリュームゾーンはだいぶ下寄りにあることがわかります。

ご覧の通り、最頻値は期待リターン(期待値)をかなり下回ります。そして期待値が指している位置はボリュームゾーンから外れています。

これはテストの平均点や平均年収などと同じく、極端に高い少数の結果に平均値が引っ張られることで、必ずしも多くの人がその値であるとは限らないということです。

最頻値を中心に、だいたいこの辺りに収束しやすいだろうという結果が並びますので、予測を立てるとすればこの値を採用した方がより正確な計画が立てられるはずです。

ということで、資産形成の計画ではこのヒストグラム最頻値を重視すべきです。

4資産均等

次に国内株式25%、海外(先進国)株式25%、国内債券25%、海外債券25%で同じ条件の積み立てをした場合を示します。

期待リターン:3.57% リスク:9.61%
元本:100万円 総投資額:3万円 期間:20年
(期待値:1244.5 標準偏差:356.1 中央値:1196.5 最頻値:1106.0)

by 長期投資予想/アセットアロケーション分析

 

どうでしょう? さっきの例と比べて、随分と上に寄った形のグラフになっています。

注意点としてはグラフのスケールが違うので、左側のグラフの傾きは参考にしてはいけません。これはグラフの嘘というやつです。

見るべきなのは、ヒストグラムです。取りうる結果の範囲が、先ほどと比べてかなり狭くなっているのがわかるでしょうか。

ヒストグラムの形状も、ボリュームゾーンが上寄りになっていますね。また、期待値(期待リターン)と最頻値との差も少なくなっています。これがリスクの正体です。

長期的な視点では、結果のばらつき、つまり予想通りいかない可能性のことをリスクと呼ぶということですね。

ちなみにグラフには載っていませんが、元本割れの確率というのもありまして、内外株式均等では18.1%、4資産均等では8.9%となっています。

具体的な数値については、シミュレーションの条件(各アセットの期待リターン、リスク、相関係数)によって変わりますので参考程度にされるのがよろしいかと思いますが、傾向としては似たような結果になるのではないかと思います。

この数字だけを見て「4資産均等の方が最頻値が高い!」と早合点しないようにお願いします。あくまでも特定の値を代入した場合の例です。

ファイナンシャル・プランニングとして適切な配分の決め方とは

面倒になってきたのでまとめます。

  • リスクとは、結果のばらつきであり、予想通りにいかない可能性のことである。
  • 最頻値は期待値を下回る。一部の人だけが大きく儲かるということ。
  • リスクが小さくなると、最頻値と期待値の差が小さくなる。
  • 取りうる結果の範囲が狭い方が計画が立てやすい。

この記事ではどちらの方が良いとか、特定の配分を推奨するものではありませんが、計画的な資産形成においてリスクというものを甘く見ない方が良いということだけはしっかり言っておきたいと思います。

リターン・リスクという単純な数字だけを見ていてもなかなか理解することは難しいということもわかっていただけたのではないでしょうか。

株式クラスの中身の配分について悩む時間をこちらの方(株式と、債券の割合)に割いた方が有意義ではないかと考えます。