貧乏人でも投資がしたい

パーソナルファイナンスとインデックス投資についての話題がメインです。意見は結構コロコロ変わります。

他人の設定・解約の影響を受けたくないなら断然ETF

資産形成家のいぬデックスです。

投資信託は基本的に、受益者(保有者)全員で按分して費用を負担することになっています。

株式などを購入する費用も、売却する費用も按分です。

一度買ったきりでただ持っているだけでも、新たに購入される分の手数料は負担しないといけません。

解約があった時もただ持っているだけの人が、売却のための費用を負担する形になっています。

大量に設定もしくは解約があった場合、それをした人が負担するのは当然ですが、ただ持っているだけの人は単に手数料をカツアゲされる要員となっていることになります。

それを軽減するために、信託財産留保額というものがあるのですが、最近のインデックスファンドにはこれが設定されていないのが普通になってきました。

僕はそこまででもないのですが、たとえわずかであっても他人のせいで自分が割りを食うのは嫌だ、そういう人にはETFが良い選択になるかもしれません。

ETFは他の保有者の行動による影響が極力少なくなるように設計されています。

ETFは解約時にも資産を売却しない

二つの意味があります。

一つはすでに発行されたETFを売買しても、所有権が移るだけで、ETFに紐づけられている原資産の所在は変わらないという点。

Aさんが売却したETFは、他の誰かのものになっているので信託財産の売却は必要ないということですね。お金は買ってくれた人から受け取っています。

もう一つは、国内株式クラスに多い現物拠出型のETFの場合、指定参加者による設定・解約時には株式の現物を渡してETFと引き換えるという手順になっているため、設定と解約の流れに金銭の出入りがないからです。

少し説明します。

ETFの設定・解約は指定参加者と呼ばれる特別な業者にしかできないのですが、ETFを追加設定する場合には決まった構成の株式を持ち込み、ETFを受け取ります。解約時はその逆でETFを渡して株式の現物を受け取ります。

設定・解約のために株式を買ったり売ったりするのは、ファンドではなく、ファンドの外で指定参加者が行うということになります。

ファンドが自ら売買するとしたら、たとえば指数の中身が変更になった時に、それに合わせるためのリバランスなどですが、これはファンドの継続的な運用に関する費用ですから、保有しているだけの人にも負担する理由があります。

ETFは売買した人が費用を負担する

もちろん、証券会社に支払う取引手数料のことではありません。

ETFは市場で売買されるということがキーとなってきます。板のスプレッド(売りと買いの差額)に、設定・解約に伴う費用が埋め込まれているのです。

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実を言うとETFを誰かから買ったり、誰かに売ったと思っている相手は多くの場合何処かの誰かではなく、指定参加者相手に取引をしているだけだったりします。

先ほども登場した指定参加者は、板に気配を提示しますが、これは設定・解約に伴って株式を借りたり買い集めたり売却する際のコストや、ETFそのものの売買手数料を転嫁した価格を提示するというのが、基本的な状態です。

本来の価値(基準価額/インディカティブNAV)より割高で買ったり、割安で売った分にこの費用が含まれています。

つまりETFを売買した人だけがこの費用を負担することになっています。持っているだけの人には余計なコストはかかりません。

ちなみにマーケットメイク制度を導入しているETFの場合、インセンティブが与えられる代わりにマーケットメイカーには狭い範囲で気配を提示することが求められますので、そうでない銘柄よりスプレッドが狭くなる傾向があります。

マーケットメイカーがどういう役割を果たしているかについては過去の記事を参照してください。

金銭拠出型のETFの場合はどうなのか

先ほど「現物拠出型の場合は」と限定しました。では金銭拠出型の場合(外国資産のものに多い)はどうなのでしょうか。

金銭拠出型ETFとは、その名の通り金銭を渡して、ファンドが原資産を購入し、ETFとして発行します。解約のときはETFを渡して、ファンドが換金し、金銭を払い出します。我々が使っている投資信託と似ていますね。

こちらをご覧ください。

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これは野村アセットマネジメントの、NEXT FUNDS 新興国株式(為替ヘッジなし)の交付目論見書(PDF)からの引用です。

注目すべきは「その他の費用」「信託財産留保額」の項目です。

購入時には基準価額よりも0.2%高い値段を支払うことになっています。換金時は解約額の0.2%をファンドの財産に残していくことになっています。これは原資産を購入・売却するためのコストの負担に相当すると考えて良いでしょう。

当然、指定参加者はこれを織り込んだ価格を板に提示することになります。やはり、売買した人が負担することになります。

ETFに関する制度の改善に期待

ちょっと話がややこしく、説明できているか不安ですが、ETFでは他人の行動による影響をほとんど受けないことがわかっていただけたでしょうか。

ETFは自分で売買の指示を出さないといけないとか、口数単位でしか買えないとか、再投資が面倒とか、それらを任せるサービスは料金が高いとか、分配金に税金がかかるといった不利な点が多く、単純に資産形成の道具としては投資信託に一歩譲ります。

しかし、それさえ解消すれば、従来の投資信託よりも優れた仕組みですので、米国のように花開くこともあるのではないかと思っています。