貧乏人でも投資がしたい

パーソナルファイナンスとインデックス投資についての話題がメインです。意見は結構コロコロ変わります。

「ドル建て資産を持て」に関する素朴な疑問

f:id:inudexfund:20190310125118j:plain資産形成家のいぬデックスです。

日本はもうダメで、米国はこれからも成長し続けるのだから日本人もドル建て資産を持つことが最大のヘッジとなるというような話はよく出てきます。

この考え方自体には特に反論はないのですが、ドル建て資産って一体なんだろう? となるとよくわからなくなってきます。

ドル建てとは?

比較的限定した意味で言えば、ドル建ての資産とは「ドルで決済する資産」くらいになると思います。米国市場に上場する株式はドルで取引されるのでドル建てですよね。

米国株を買う、日本籍の投資信託はどうでしょうか。これは円で決済していますが、実質的な中身はドル建て資産です。「ドル建て」の定義を少し広げれば、これはドル建て資産と言うこともできると思います。

リスク対象国

ところでここで一つ疑問が湧いてきます。アリババ(BABA)はNASDAQに上場していますが、中国企業です。ドルで決済しますが、これはドル建て資産なのでしょうか?

ドルで取引され、ドルで利息が支払われるメキシコ国債はドル建て資産ということになるのでしょうか? 新興国は自国の通貨が弱いためにドル建てのものが結構たくさんあります。

バンガードの外国債券ETFであるBNDはドルヘッジでドル建て決済ですが、これはどうでしょうか。

一つの答えがあります。iSharesのETFには組み入れ全銘柄のリストが見られるようになっているのですが、この中に「リスク対象国」という表記があります。

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少しスクロールさせますと現地通貨の項目はUSDになっていますね。通貨の欄がJPYになっているのは、東証上場のETFだからです。

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画像は省きますが、ケイマン諸島籍の企業もリスク対象国は中国となっています。ちょうど画像にも載っているテンセントは香港市場に上場していますが、中国籍の企業です。

なぜか日本の投資信託は登記上の国籍で載せますので、香港が先進国と新興国の両方に含まれているという謎現象が起きています。まあ、これは余談です。

ここからわかることは、投資対象としては実際にはリスク対象国を重視すべきであるということではないでしょうか。ドル建てのメキシコ国債の例ではメキシコが持つリスクを負うということですね。

決済通貨によるリスクもあると思う

とはいえ、ドル建ての資産を持てという人は実際にはドルを持てと言っている場合もありますよね。極端な話ですが円がその価値を失った場合、両替もできなくなり円では物が買えなくなってしまうかもしれません。

たとえば円で価値が表記されている日本の投資信託は、ハイパーインフレになるとおそらく基準価額が算出不能になり、場合によっては解約不可になるかもしれませんね。

急速なインフレが進行している国では自国通貨ではなくドルで給料を支払わざるを得ないところもあるようですね。

そう考えるとリスク対象国と決済通貨はそれぞれ別のリスクを担当していて、外国人がこれを購入する際には両方のリスクを持つハイブリッド資産ということになるのでしょう。

日本でそこまで心配している人は比較的高収入で、富裕層に近い人が多いような気もしますが、実際に新興国ではそのような考え方がもっと身近なリスクとして認識されているようです。

一つ残った疑問

ところで、グローバル企業の中には経済活動のほとんどを外国で行なっているものもありますよね。売上海外比率が極端に高いもののことです。これは(たとえば)日本企業でありながら、実際のリスクは海外にあると思うのですがこれはどこの資産なんでしょうね。

そういえば米国株だけ持っておけば全世界に投資しているのと同じことだという主張もありますね。これを購入する方からしても決済通貨がドルで統一されているのは安心かもしれません。

そんなことを考えていると、結局のところドルで買える商品を持っておくのも悪くない気がしてきます。

個人的には、円に対してそこまで心配する段階にはないと感じることと、本当にそうなっても国外に逃げ出せるほどの能力がなく、一緒に地獄に落ちる以外の未来が見えないということから、円建ての商品で世界に投資する程度にとどまっています。